アドオンRTT-Observer Generator

RTT-Observer Generator は  RTT-Observerと呼ばれるリアルタイムのフォーマルテストを実施するためのアドオンです。dSPACE HILもしくはVEOSによるシミュレーション実施中にリアルタイムで形式化された要求群に基づいた判定を行う監視ユニット"要求オブザーバ"を自動で生成します。 

RTT-ObserverはdSPACE社のHIL及びVEOSに向けた形式検証ソリューションとしてdSPACE社とBTC Embedded Systems社の共同プロジェクトにより開発されました。RTT-Observerの実施には別途dSPACE社の製品であるReal-Time Testing Observer Library及び関連製品が必要です。詳しくはBTC Japan営業窓口またはサポートチームまでお問い合わせください。

 

HILシミュレーション実行中のリアルタイム判定

RTT-Observerはシミュレーション実行中にリアルタイムでどの要求が満たされた(Fulfilled)、要求が違反された(Violated)、もしくはまだ要求が評価されていない(Inconclusive)という結果をレポートします。テスト漏れも人の目によってではなく、システマチックに検出できます。リアルタイムのレポートはdSPACE社のControl Desk上に表示されます。

RTT-Observerはフォーマルテストのように詳細な要求カバレッジや構造カバレッジを測定することはできませんが、その代わりにリアルタイムで判定を知ることができます。例えば、何日にも及ぶ連続したHIL実行テストの途中で許容不可能な要求違反が検出された場合、即座にそれを検知して修正を開始できれば同じ期間内でもより多くのテストと修正を繰り返すことが可能になります。

 

連続テスト実行

何日にも及ぶ連続テスト実行に耐えられる点もRTT-Observerの特徴です。dSPACE社のAutomation Deskと連携することで、テストの連続実行と要求オブザーバの判定レポート自動生成が可能となります。

 

期待値不要

RTT-Observerはフォーマルテストと同じく、テストケースの出力に対する期待値を記入する必要の無い判定テクノロジです。判定は全て形式化された要求群に基づいて行われます。

dSPACE HIL及びVEOS上で実行されるありとあらゆるシミュレーションを対象にすべての要求に対する判定が行えることから、単純な工数削減だけでなく、より網羅的な判定によるテスト品質の向上が期待できます。

 

ハードウェア由来の遅延へ対応

実物のハードウェアを伴うHILシミュレーションでは、ハードウェア由来の遅延は避けられません。しかし許容範囲内の遅延が原因で要求違反が検出されることは望まれません。一方で個別のハードウェアの特性に合わせて要求を書き換えることもまた望まれません。そこでRTT-Observerでは遅延に対する許容時間をサポートしております。要求とは独立した許容遅延時間を調整するだけで、個別のハードウェアの遅延に対応することが可能です。

 

プラントモデルとは独立したビルド

HILやVEOSを実行するに際して、事前にプラントモデルや仮想ECUをビルドしHILやVEOSの環境にダウンロードする必要がありますが、これは一般的に時間を要する処理です。要求の変更や差し替えのたびにこの作業を繰り返したのでは作業効率低下はもちろんのこと、貴重なリソースであるHILを効率的に利用できなくなる恐れが生じます。RTT-Observerでは要求オブザーバ(要求に基づく監視ユニット)をプラントモデルのビルドと独立させることでこの問題を解決しています。要求を差し替えたり、変更したりするたびにプラントモデルや仮想ECUのビルドを繰り返す必要はありません。RTT-Observer上の要求だけを更新できます。また、それぞれの要求の監視の有効化、無効化も自由に行えます。 

 

要求の形式化

要求の形式化はフォーマルテストやモデルチェックによる形式検証と同様、Universal Patternで行います。RTT-Observerに向けて新しい言語を覚える必要はありません。フォーマルテストやモデルチェックによる形式検証と異なる点は、要求で使用された信号のマッピング先がテスト対象に対して直接ではなく、HIL上で実行されているプラントモデルが主になることです。プラントモデルとテスト対象のECUの境界となる入出力インタフェースにマッピングしたり、もしくはプラントモデル内の演算途中の信号にマッピングすることも可能です。VEOS上で実行される仮想ECUをテスト対象にするのであれば、これに加えて仮想ECU内の信号とマッピングすることも可能です。